6次産業化とは、「一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す」取組である。現在の6次産業化の市場規模は直近の農林水産省統計データで加工・直売、輸出、都市と農山漁村の交流等の7分野の市場規模合計で5.5兆円である。農林水産物・食品の輸出額については約7,502億円※である。政府は2020年には6次産業の市場規模を10兆円、農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を掲げている。

全国各地で6次産業化の取り組みが進んでいる中、事業を進めていく上で様々な課題に直面している場面を多く見てきた。特に資金調達や新商品開発、コスト削減や販路の確保が挙げられる。ヒト・モノ・カネのバランスが必要不可欠となっている。
特に人材(ヒト)の確保と育成は、6次産業化の事業を進める上でいつでもつきまとう大きなファクターとなっている。6次産業化という切り口に加え、人材育成に必要な要点を国内のみならず海外の農業現場を見てきた知見から整理したいと思う。